結論。太陽光パネルの変換効率は重要ではない

太陽光発電のあれこれ

太陽光発電の見積依頼をいただく際、よくご要望されることとして「なるべく変換効率の高いもので…」というのがございます。

変換効率というのは、同じ量の太陽光が照射されたとき、どのくらいの電力を作ることができるか。という数値になります。

計算式は…

(モジュールの交渉最大出力×100÷(モジュールの面積×1000W/㎡)となります。

具体的に現在最もポピュラーなシャープ製の太陽光モジュール「NU-250AJ」の数値を代入してみたいと思います。

NU-250AJのスペック 出力250W  面積 1.30482㎡ を代入すると

(250×100)÷(1.30482×1000)

=25000÷1304.82

=19.15(%)になります。

同じシャープ製の旗艦ブランド「BLACK SOLAR」ならどうなりますでしょうか。

NQ-256AFのスペック 出力256W 面積1.30482㎡ を代入すると

(256×100)÷(1.30482×1000)

=25600÷1304.82

=19.62(%)になります。

やはり上位モデルのほうが変換効率は上になりました。当たり前ですが。

各社の住宅用主力機種(最新)を比べてみますと…

Panasonic P255αPlus(VBHN255WJ01)   255W 19.9%

シャープ NQ-256AF            256W 19.6%

京セラ  KJ270P-5ETCG          270W 18.5%

長州産業 CS-325G51            325W 19.8%

ネクストエナジー NER120M340J-MB     340W 20.2%

ソーラーフロンティア  SFK185-S      185W 15.1%

カナディアンソーラー  CS1K-330MS     330W 19.9%

ハンファQセルズ   Q.PEAK DUO-G6    355W 19.8%

東芝          SPR-X22=360     360W 22.1%

                      (小数点以下2桁を四捨五入)

いかがでしょう?

採算度外視で並べてます。つまり価格は考えずに住宅用のトップモデルを挙げてみただけです。実際には効率だけにこだわって設置すると費用対効果が非常に悪くなる場合もございます。

ソーラーフロンティアの変換効率だけ低いのは

ソーラーフロンティアの変換効率が非常に低くなっているのは、他のブランドと違い「化合物系CISモジュール」だからです。

カタログスペックではどうしても185Wという表記になりますが、実際に設置して太陽光に当たり始めると7%前後、出力がアップするという特性があります。

ですので実際は200W前後のパワーがあり、かつ最大の特徴は「影に強い」ということです。結晶系のモジュールの一部に影が掛かると、その1枚の出力は大きく下がり、かつ、その1枚を含むストリング全体も出力がさがってしまいます。ところがソーラーフロンティアのCISモジュールは一部の影が掛かっている部分のみの低下しか起こらず、全体の発電に大きな影響を与えないという特性を持っています。

同じ出力が出せるのであれば変換効率は関係ない?

変換効率は限られた面積で発電できる最大値と言い換られるもので、逆に言うと面積が限られていないのなら拘る必要がない…のでは?という考えもございます。

たとえば…

Panasonic製の太陽光モジュールで「250αPlus」というモデルがあり、これも出力250Wですが変換効率は19.5%になっています。

これを20枚設置すれば250W×20枚=5000Wの出力になり、必要な設置スペースは1.28296㎡/枚×20枚=25.6592㎡です。

先ほどのシャープ製「NU-250AJ」なら20枚設置で26.0964㎡必要です。

たしかに変換効率の高いPanasonic製「250αPlus」は小さい面積で同じ出力を出せますが、必要面積は2%程度しか変わらないのです。

出力自体は同じ数値が出るので、この2つのモデルで決定的な違いは何もありません。厳密に言えば各社の技術競争によって「夏の暑い時期に発電効率が落ちにくい」「弱い光でも発電効率が上がりやすい」などの特性の違いはありますが。

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の場合に重要?

この変換効率が重要になってくるのは「ZEH」(ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準を満たそうとするときに屋根に十分な面積がない…などという場合です。

ZEH住宅はその住宅で消費される電力と作り出せる再生可能エネルギーの差し引きが年間ゼロ以下にならなければなりません。ですので、必ず超えなければならない太陽光発電の出力が決まっています。

これを超えなければZEHにならなくなってしまうということで、その時にもっとも変換効率の高い(高価になります)モジュールでぎりぎりクリアーした…という案件もございます。

まとめ

変換効率の高い「高価なモジュール」も「普通のモジュール」も出力が同じなら発電する電力も同じになる。だから屋根の面積が充分にあるのなら、安価な普通のモジュールを選んでもよいのでは?という結論になります。もちろん細かい特性を考えていけば高性能モジュールは発電量も若干多くなりますが、価格差を考えれば強くこだわる部分ではないのかなぁと思います。

毎年のように1枚当たりの出力が増え続けている…性能アップが続いている太陽光モジュールですので、変換効率にこだわりますといつになっても設置工事にふみきれない…という事にもなってきます。

ちいさな効率アップを待っているくらいなら、少しでも売電価格の高いうちに太陽光発電生活を始めてしまったほうがよほどお得…と言えるかもしれません。

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