売電価格は毎年下がっていく 売電単価の推移は

太陽光発電のあれこれ

売電価格は平成24年度から始まった固定価格買取制度は電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)によって規定されています。

まず、これまでの売電価格の推移をご案内します。

「余剰買取」「ダブル発電」「全量買取」などの用語は後で説明します。また「30円」とあれば1kWh(1キロワットアワー)売電するば受け取れる価格になります。

※1kWhを売電するには「1kW売電されている状態が1時間継続」すれば1kWhになります。

平成24年度(2012年度)

10kW未満(余剰買取) 42円  

10kW未満(ダブル発電) 34円

10kW以上(全量買取) 40円+税

平成25年度(2013年度)

10kW未満(余剰買取) 38円  

10kW未満(ダブル発電) 31円

10kW以上(全量買取) 36円+税

平成26年度(2014年度)

10kW未満(余剰買取) 37円  

10kW未満(ダブル発電) 30円

10kW以上(全量買取) 32円+税

平成27年に新しい規定が追加された

平成27年から「出力制御対応機器設置義務」という規定が追加されました。「中3電力」と呼ばれる東京電力・中部電力・関西電力の3社の管轄エリア以外は…つまりは、北海道・東北・北陸・中国・四国・九州・沖縄の7社の管轄地域は…

太陽光発電からの電力を受け入れられないほど電力が余っているときは発電出力を落とすことができる機器を設置する義務を負わない限り太陽光発電を設置できない

…ことになりました。そのかわりに「中3社」よりも買取価格が高く設定されることになりました。

それでは平成27年以降を見ていきましょう

平成27年度(2015年度)

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務なし 33円  

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務あり 35円 

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務なし 27円

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務あり 29円

10kW以上(全量買取) 2015年6月まで認可をとれば 29円+税

10kW以上(全量買取) 2015年7月以降       27円+税

平成28年度(2016年度)

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務なし 31円  

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務あり 33円 

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務なし 25円

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務あり 27円

10kW以上(全量買取)  24円+税

平成29年度(2017年度)

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務なし 28円  

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務あり 30円 

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務なし 25円

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務あり 27円

10kW以上(全量買取)  21円+税

平成30年度(2018年度)

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務なし 26円  

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務あり 28円 

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務なし 25円

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務あり 27円

10kW以上(全量買取)  18円+税

令和元年(平成31年度、2019年度)

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務なし 24円  

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務あり 26円 

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務なし 24円

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務あり 26円

10kW以上(全量買取)  14円+税

令和2年(2020年度)

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務なし 21円  

10kW未満(余剰買取)出力制御対応機器設置義務あり 21円 

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務なし 21円

10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務あり 21円

10kW以上~50kW未満(余剰買取)13円+税(自家消費型の地域活用要件あり

50kW以上~250kW未満(全量買取)  12円+税

250kW以上(全量買取) 入札で決定されます

…以上が太陽光発電の売電価格の推移になります。

※2020年から10kW以上でも事実上の「余剰買取」になりました。自家消費型の地域活用要件というのは主に発電量の3割以上を自家消費しなければならない…という規定になります。ですから全量は売電できなくなったということです。

「余剰買取」「ダブル発電」「全量買取」とは

「余剰買取」「ダブル発電」「全量買取」について説明します。

余剰買取

住宅用に代表される家庭内で消費(自家消費)したあとに余った分だけ電力側に逆潮流させて売ることができる配線形式。

ダブル発電

余剰買取の住宅に「蓄電池」も設置する場合、日中の余剰売電時に蓄電池からも放電すれば、よりたくさんの電気が余ることになり売電量が増えることになります。(このことを「押上げ効果」と言います)このためダブル発電をする場合はその分売電価格は安く設定されます。

オール電化住宅の場合は夜間の安い電気を蓄電池に充電し、日中放電することにより売電量を増やすことができる=安く買った電気を高く売ることができる…ことになります。

※蓄電池は「押上げあり」「押上げなし」の2つのタイプから選ぶことができます。

全量買取

発電したすべての電力を電力側(電柱側、商用電力側)に逆潮流させて売ることができる配線形式。10kW以上の太陽光を設置しないとこの形式を選ぶことができません。自家消費はしないので電気を混ぜることはできません。ですので、買う電気とは別の回路を用意しなければなりません。…つまり、売電専用の別回路を契約しなければなりません。月々の基本料金と設置する機器の保守に必要な電力を買う分の料金がかかります。夜間もパワコンやモニターは電力を使っていますので、その分です。

始めた年度の買取価格で固定される

固定買取制度というくらいなのであたりまえなのですが、認可を取得した年度の売電価格が固定されます。10kW未満は10年間、10kW以上は20年間の固定になります。

平成24年度にスタートした固定買取制度ですが、海外の売電価格に対して非常に高額だったため世界中から日本の産業用太陽光(全量買取)案件に投資マネーが殺到しました。

当初は明らかに「約束された投資」だったのです。

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