「適正価格」の中でなるべく安く太陽光発電を設置する方法

見積もりの見かた

ここでは、太陽光発電システムの設置業者を選び、その結果、住宅会社が使っている太陽光業者ではなく、自分で選んできた他の業者を使いたいとなった場合をご案内します。

見積もりの集め方と方針

まず、設置したい太陽光システムの出力などを決める

※「自分の家にはどのくらいの太陽光発電が設置できるのか?」という記事に概算の仕方をご案内しております。https://www.taiyoumitsumori.com/jibundesimulation/

希望の出力が決まったら相見積もりを取る

おうちの新築と同時に太陽光発電をはじめるときは、新築住宅に対応できるところを選びましょう。(もちろん新築を発注する住宅会社からも見積もりをもらいます)

当たり前のことだと思うかもしれませんが、案外、「新築工事」を不得意にしている太陽光専業業者がいます。

また、自分が出した概算の出力と大きくかけ離れた見積もりが出てくるかもしれません。どういった理由でそうなるのかを納得のいくまで説明を受けるようにしましょう。一度付けてしまうとやり直しはできません(固定買取制度は基本的に1住所1電力契約につき1回までです)

自分の思いと違う見積もりは、思いもよらなかったことを気付かせてくれることもあります。たとえば1社だけ積雪地仕様の架台で見積もってきた…ということを聞いたことがあります。メーカーによって機器保証や災害補償のために採用する積雪量データが違っていたりします。都道府県の建築課が採用している数値に準拠する…などがあり、それをきちんと調べて出してきたのがその1社だけだったという事例でした。

3~5社からは見積もりを取りましょう

最低でも3社、できれば5社からは見積もりを取ることをおすすめします。ただ、自分で1社1社調べるのは効率が悪すぎますので、一括見積りサイトを使うようにしましょう。サイトを眺めているだけでイメージが膨らんでいきますよ。

登録、連絡の際はリスクの少ない工法で見積もってもらえるように屋根材などを伝えましょう。また、屋根の方角や勾配も伝えてシミュレーションももらいましょう。

新築には関わりたくない太陽光専業業者さんも…

太陽光専業の業者さんのなかには新築工事と同時進行をさせていくことを得意にしていないところもあります。

住宅用太陽光の工事はモジュール(パネル)工事に1日、電気工事に1日で合計2日間で終わってしまう案件も多数あるのですが、新築となるとそうはいきません。建築や他の業者の進捗に合わせて…

①送配電会社への申請作業 … 新築担当の電気業者さんと打ち合わせを行い、配線図や、レイアウト図などを作成し申請をします。新築の電気工事の申請が済んでいなければ受理されない場合があります。

②資源エネルギー庁への申請「設備認定」 … 住宅会社と連携し書類を作成します。新築の時は住宅の確認申請(いわゆる確認済み証)が必要になります。

③モジュール工事 … 屋根にパネルを取り付ける。屋根業者さんの次工程になりますし仮設足場を使う他の業者さんとのタイミングを見なければなりません。

➃ケーブルの事前配線(逃げ配線)工事 … パワコンやモニター、ホーム分電盤の取付予定の位置まで事前に配線だけを仕込んでおきます。壁のプラスターボード貼りなどの工程とタイミングを合わせてタイムリーに立ち回らねばなりません。また、屋根上からのケーブルを屋内に引き入れるときは外壁が終わっていなければなりません。

⑤機器の据え付け作業 … パワーコンディショナーやモニター、CTセンサーなどの機器を取り付けます。屋外用パワーコンディショナーなら外壁の仕上がりと仮設足場の解体などとタイミングをあわせなければなりませんし、モニターなどは当然、壁のクロス貼りの次工程になります。

⑥ホーム分電盤への接続 … 新築担当の電気業者さんのタイミングをみて行わねばなりません。仕上がりを美しくするには余計なBOXが増えないようにしなければなりませんので、①の打ち合わせが重要になります。

以上のように新築の工程に合わせて進めることは、既築住宅への工事と全然違う手間が発生しますので、新築へは営業を行っていない業者もあるのです。

相見積もりをチェックする

瓦屋根の場合に支持瓦を勧めて来ないなら、なぜなのかきいててみましょう。また金属屋根の場合、安価な穴あけ工法のみを強く勧めてくる業者は要注意です!

こちらの質問に丁寧にゆっくりと答えてくれるかに注目しましょう。急に声が大きくなったり早口になったりする場合は特に慎重になってください。

こうして業者の目星がついたら、住宅会社と相談をはじめましょう。

新築時、住宅会社と十分に協議する

新築する住宅会社の太陽光業者を使わない場合は事前の打ち合わせが重要です。

住宅会社に太陽光業者を別途で入れたい旨をお願いする

①モジュール取り付け工事には現場の足場などの設備を借りることになりますし、他の業者(外壁工事、雨樋工事、塗装工事など)の工事日を優先しバッティングしないように施主が自ら日程の連絡・調整をする事などを約束する

※新築工事中の仮設足場は施主のものではありません。建物も引き渡しを受けるまではあなた(施主)のものではありません。住宅会社の持ち物に手を加えることになるのです。

②電気工事では住宅のホーム分電盤を太陽光設置可能のものに変更してもらうなどの処置が必要ですので、これらの連絡も行わねばなりません。太陽光を連系できるように分電盤のスペックを上げますので追加費用も支払うことを伝えます。

③ハウスメーカーさんの屋根の保証がなくなる場合、それを了解する。

実際にパネルを設置する面(南側など)だけではなく、屋根すべてが無保証になる…などという事がないように、手を付ける屋根面をしっかりと伝えて対応をお願いしましょう。(太陽光発電システムには自然災害保険を付けることができます。また、モジュール施工業者は工事賠償保険に入っているところを使ってもらいましょう)

上記のことをつたえ、住宅会社に事前に承諾してもらいましょう。

窓口はあくまで あなた(施主)です

太陽光業者と住宅会社側の連絡の窓口はあなたです。自分が他業者を連れてきたのですから、工程の連絡などを住宅会社の現場監督にお願いはできません。

仮設足場や駐車スペース、トイレも使わせてもらわねばなりませんので、あなたが先頭に立って窓口業務をおこないましょう。

既築住宅の場合は…

太陽光発電の設置工事に他業者を選びたい旨を伝え、了解をとる。

①屋根の保証がなくなるかを確認する。触らない屋根面は保証を継続してもらえるように協議する。関係のない屋根面を一切触らないことを約束しましょう。

②ホーム分電盤も改造する(太陽光発電システムの設置ができるように)ので、その保証もなくなるのなら、それを了解する。以降の分電盤に関する不具合は太陽光発電システムの設置業者に最初の連絡を入れるようにしなければならないでしょう。

上記のようなことを判っている旨を伝えて、今回の太陽光発電工事のために変更を行った部分については施主であるあなたの責任であることを伝える。

まとめ

新築時でも既築住宅でも、住宅会社を通さずに太陽光工事をする場合は承諾をもらいましょう。

こうすることで太陽光工事では手を加えない部分について、今後何かあったときは引き続き対応の窓口になってほしいことを伝えられるからです。

将来の不安を残さずによいスタートを切りましょう!

コメント